ストレスに弱い人でも実践できること【後半】

Occupational Health
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前回は、ABC理論を通じて、思考と感情の関係について見てみました。

ポジティブな感情も、ネガティブな感情も思考から生まれてくるもの。もし、後者がコントロールできるとしたら、ストレスが少し軽くなるかもしれない、と感じている方もいらっしゃると思います。

では、ネガティブな感情を生み出す思考には、一体どんなものがあるのでしょうか。

今回は、ネガティブな感情を引き出してしまう、10種類の「思考のクセ」についてみていきましょう。

 

10種類の思考のクセとは?

精神科領域で有名な方に、デビット・D・バーンズという研究者がいます。近年注目度を増している認知行動療法を提唱したアーロン・ベックの弟子にあたる方です。バーンズは、自分の気持ちや感情そのものは「事実」ではなく、ある意味「クセのある考え方*」がネガティブな気持ちを生み出していると述べています。
*バーンズは「認知の歪み」という言葉を使っていますが、ここではわかりやすく「クセ」と呼びます。

では、その10種類をさっそく見てみましょう。

私自身、最初にこの表を見た時に、「あるある!」という感覚をもちました。これらのクセのいくつかは、濃淡はありながらもよく陥っているな、と思ったほどです。

皆さんは、いかがでしょうか。該当するものはありましたでしょうか。
複数のクセを持つこともありえますし、ご自身の状態・状況によっても変わるかもしれません。

ただ、傾向としてわかっておくことで、否定的な気持ち、不安な気持ちになった時に、「これは、完璧主義的なところと、結論の飛躍から来ているのかも」と分析ができます。

そのプロセスで、ふと立ち止まることができれば、方向転換や別の捉え方にチャレンジすることも可能になってくるのではないでしょうか。

では、「方向転換をする」ためには、具体的にどのようなことに取り組んだらよいのでしょうか。

自動思考から合理的な考え方へのシフト法

思考のクセ。それは、自動思考や自動反応とも呼ばれます。何も意識はしていないけれど、気づいたらそうなっている、からです。ネガティブな気持ちになることはできるだけ避けたい、そう思う方は多いと思います。では、思考のクセに気づき、合理的な考えになるためのトレーニング法をみていきましょう。

前出のバーンズ博士は、その著の中でトリプルカラム法を紹介しています。

トリプルカラム法は、ノートを縦に3つに分けます。左から、自分がネガティブに感じた状況や気持ちを書きます。真ん中に、それが上記10の思考のクセのどれにあたるかを考えます。右側には、合理的思考として、一旦状況を俯瞰し、「いや、待てよ」という気持ちで、友人だったらどう言うか、尊敬している人はどう言うか等考えながら、書き出してみます。

「すべき思考」は多くの人が陥りやすいクセの1つ。でも、それは単にこちら側の強い要求であることが多いもの。その状況になった時、相手の立場に視点をずらしたり、そもそも「『すべき』って存在するかな」と考えてみたりします。友人に相談したら、「それ、押しつけがましいのでは?」と言われてしまいそう、といった具合に、違う意見や視点を出してみます。

こうして、いくつかのケースでトレーニングを重ねることで、ご自身の思考のクセが浮かびあがってきたり、合理的でバランスが取れた新たな思考が身につくことが期待できます。

自分が気づいていなかったことに気づくこと。

それは簡単なようで難しいことですが、それだけメリットも大きいものです。特に、不安やイライラといったネガティブな気持ちがどこから来ているのかに取り組むことは、キャリアライフ、パーソナルライフの両方で恩恵を受けることでしょう。

今回、認知行動療法をベースにした、ストレスに強い人・弱い人を2回にわたり見てきました。右利きの人が、突然左利きになるのが難しいように、思考のクセは瞬間的に変えられるものではありません。ただ、変えていきたい、これが変わったら楽になるな、と思うクセがあれば、ぜひ少しづつ取り組んで頂ければと思います。

今後も、変化の波はスピードを増してやってきますし、ストレスも増えることが予想されます。だからこそ、ご自身の心身の管理にオーナーシップを持つことは、とても重要なことです。今回のコラムが、皆さんの新しい健康習慣のお役に立てればと思います。

 

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情報社会のビジネスパーソンにとって、
疲労の蓄積を予防したり、
仕事への向き合い方をコントロールする等、
自らの心身に目を向けることは重要になってきています。
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自身のメンタルやフィジカルを整えていく。
安定したコンディションを維持するための知見を、
医学や心理学等をベースに紹介します。